今年の無線関連の活動をまとめてみました。
SOTA&POTAアクティベーション
今年も武甲山(JA/ST-004)から始まり、鳥ノ胸山(JA/YN-101)まで23座をアクティベーション。延べ484局(国内354局、DX130局)のチェイサー各局とQSOさせていただきました。2月の地蔵岳のアクティベーションでMountain Goatとなりました。またPOTAではSOTAアクティベーションと組み合わせて延べ20回のアクティベーション。延べ487局のハンター各局とQSOさせていただきました。
印象に残ったアクティベーションは3月雪の車山からQRVしたJA SOTA QSOパーティ、真夏の八ヶ岳で暑さにやられた縞枯山・北横岳のアクティベーション、9月のYAMAP山と無線コミュニティのメンバとのふもとっぱらのキャンプ、12月のSOTA仲間との本栖湖でキャンプでしょうか。コロナも下火になり色々な方と出かける機会が増えた一年でした。
無線設備関連
今年は新たなリグの投入はありませんでした。強いて言えば11月にUV-K5を購入。ボランティアでファームウェアの更新も活発に行われ、エアバンドやFM放送用のワイドバンドレシーバとして大活躍しています。
また年末にはQRP Lab.のQMXハイバンド版を入手。電源周りに怖いトラブルがあることが分かったので慎重に組み立てたいと思います。実戦投入は年明けになりそうです。
今年はアンテナ作りはあまり出来ませんでした。JA SOTA QSO PARTYに向けて雪山で50Wリニアを使うために作ったシリコンワイヤ製5バンドEFHWが重宝しています。
プログラミング・電子工作
今年も無線関連の小物やWebサービス作りをしてきました。
昨年に引き続き、技術書典14にオンライン参加。「Rustで学ぶFT8」を改版しました。ハムフェアでは秋葉原無線部のブースで紙冊子を頒布させていただきました。最新版では低密度パリティ検査符号の生成行列を作るPEGアルゴリズムをRustでインプリメントしてみました。FT8プロトコルの技術的な詳細に興味のある方はオンライン版(現在はPDFのみとなります)をお求めください。
今年はTwitterボット苦難の年となりました。X社の度重なる方針変更の末Twitter APIが有料化され、SOTA/POTAのスポットボットのサービスを停止せざるを得なくなりました。Twitterのタイムラインにスポットが上がるとそこから会話が拡がったり、アクティベーション後のS2SやP2Pの確認にも便利だったので大変残念です。せめて交信相手先の確認用にとスポットの時系列を表示する機能をMyACTつけてみました。
またTwitter以外のスポット情報を配信する方法として、IoT向けの軽量なメッセージ配信プロトコルMQTTを使ったシステム試作してみました。MQTTのクライアントには、大ブームのスタックチャンをベースに「スポットチャン」を作りました。スポットチャンは最新のSOTA/POTAスポットを日本語と英語で読み上げてくれます。ハムフェアではSOTA用スポットチャン、POTA用スポットチャンがそれぞれのブースで大活躍でした。
SOTA/POTA用のツールもいくつか開発しました。どのPOTA公園をアクティベーション・ハントしたか進捗状況をビジュアルに確認できる機能をMyACTに作り込みました。スポットチャンとも連携し未ハントの公園のスポットが入るとスポットチャンが声で教えてくれます。
SOTAアクティベーションでは使い勝手の良いコンパクトなCWキーヤーを使っています。メッセージの入力が面倒なので、MyACTの地図上でクリックした箇所のSOTA/POTAのリファレンス番号・JCC/JCGコードから、キーヤーのメッセージ入力用にパドル操作をエミュレーションしてくれる「ActPaddle」を作りました。
最近は組み込み機器の開発にもRustをつかえるのでActPaddleもRustで実装しています。ESP32やRISC-Vといった組み込みプロセッサでTLS対応のサーバを構築し、リアルタイムのパドル操作エミュレーションも実装しています。ESPの開発環境も相まりRustの底力を感じました。
最後に
2009年に再開局してから今年で15年目になりました。ハムフェアでは初開局時のローカル局JL1UXH局、JK1OZS局とほぼ40年ぶりにアイボールできたり、オンラインコミュニティの皆さんとキャンプができるなど、リアルにお会いする機会が増えた一年になりました。SOTA/POTAアクティベーションでも多くのチェイサー・ハンターの方にコールいただき無線を楽しむことができました。 本年もありがとうございました。
皆様どうぞ良いお年を。来年もよろしくお願いいたします。